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2013-04-16

ほんとうにおいしいコーヒーと風景が奏でる音楽

4/14(日)に兵庫県三木市にあるcafe homeにて行われたイベント

『おいしいコーヒーとおいしい音楽の会』

のライブレポートです。

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内容は

神戸珈琲のブラジルコーヒー鑑定士でもある高橋伸吾さんによる
ペーパードリップによるおいしいコーヒーの淹れ方のワークショップと
珍しい珈琲豆の紹介を交えたお話、そして淹れたての珈琲に誘われながら
tinörksの音楽を聴いて頂くという企画。

そして御来場者の方には、家に帰ってからも、とっておきの淹れ方で
珈琲を楽しんで頂けるように、なんとお土産もありました。

お土産の内容はまた後ほど書きます。


※ひとりにひとつのサーバー とても豪華なセッティング
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ちなみに昨年の同日!に開催された 映画『eatrip』を中心としたイベント

『おいしいごはんの上映会』

にもtinörksとして演奏させて頂き、
その御縁で今回も参加させて頂くことができました。


※リハーサル風景
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※開演まで中庭のほとりでひと休み
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※機材は出番待ち
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神戸珈琲さんの紹介を少し。

1970年創業。良質の珈琲豆とそれ以外の素材の品質にもこだわり、
商品作りのどの工程においても確かな職人技と心で、コーヒー専門焙煎業、
小売販売店、喫茶店として、神戸文化を継承することを大切にされています。




イベントは正午過ぎから一部と二部でそれぞれ1時間半ほどずつ行われ、
どちらも本当にたくさんのお客様にお越し頂きました。

tinörksのメンバーは演奏だけでなくワークショップにも参加させて頂くことができ、
珈琲の深さや面白さをじっくりと体験することができました。

天候にも恵まれ、中庭からときおり射し込む木洩れ日は、いつのまにか
優雅なひとときを演出してくれました。

そんな中で頂く珈琲の味はまさに格別でした。

ご来場頂きました皆様、神戸珈琲の高橋さん、下西さん、村上さん、cafe homeのスタッフの方々、
そして、主催者の田中さん、本当にありがとうございました。


夢の中にいるような時間を過ごすことができて、本当に楽しかったです。




さて、ライブレポートを書く前に、幸運にもワークショップに参加させて頂いたので、
いち参加者として、また珈琲の素人として、感想を書こうと思います。


珈琲の淹れ方には、いくつかの方法がありますが、今回のワークショップでは、
ペーパードリップでの淹れ方の方法と違いを教えて頂きました。


ペーパードリップは淹れ方の加減が非常に柔軟にできることが魅力のひとつですが、
それは、淹れ方次第で美味しくなったり、苦みが多くて美味しくなくなったりすることを
意味します。

美味しい珈琲は、まず美味しい淹れ方を知ることが大切なわけです。


まずコーヒーフィルターの折り方から始まって、沸騰したお湯をポットに移して粗熱をとり、
正確な分量の粉をペーパーに入れ、「の」字を書くようにカップの中心から全体に染み渡るように
お湯を注ぐ。。。などなど、全ては書ききれないですがいくつもポイントとなることがあります。
(来場者には淹れ方のコツが書かれた資料がもらえました)

※サーバーにフィットさせるようにフィルターをセッティング
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最初に神戸珈琲の高橋さんが2種類の淹れ方を間近で実演。

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ひとつは美味しい淹れ方。

もうひとつは美味しくない淹れ方。


※左がおいしい淹れ方
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解説付きなので、その違いがとてもよく分かります。

出来上がった珈琲を参加者全員で試飲します。


美味しい淹れ方は、香りが良くて香ばしく、後味に余計な苦みがありません。

対して、美味しくない淹れ方は、そもそも香りの時点で違うのですが、
余計な苦みがあるのがとても特徴的でした。

ただ、僕自身、珈琲に関して素人なので、美味しくない淹れ方の方だけを
飲んでいたら美味しいと言っていたかもしれません。


2種類の淹れ方を比較することによって、その『違い』(差分)を知ることができることが
とても面白いわけです。


普段、例えば、スターバックスやドトールなどに行くことがありますが、
店の特徴の違いで味を比較することができますが、『淹れ方の違い』で美味しさを
比較することはありませんでした。

淹れ方による違いを体験した所で、次は実際に自分で淹れていきます。

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自宅でペーパードリップを使って珈琲を飲むことがないので、
ドキドキしながら、お湯を注いでいきます。


一投目は、サーバーに数滴落ちるくらいの量、そして30秒程蒸らします。

そして2投目、3投目で抽出が完了するようにお湯を注いでいきます。


2投目のお湯が無くなる前に3投目を注ぐのがコツでした。


実際にやってみると、勢い余って一投目が多いかも。。。んー、どうなんだろ。
2投目から順調に抽出できているように思うけど。。。

そうこうしているうちに適量に達したので、いざ試飲!


ん!?高橋さんが淹れた味と違って、苦みがあるかも?。。。と
考えながら飲み進め、でもやっぱり苦みがある、そもそも香が違うかも。。。と
その違いにへこみながら、メンバーの淹れたものを飲ませてもらって比較。

やっぱりそれぞれに個性があって味が違うわけです。
これは興味深い!

メンバーの淹れ方を凝視していたわけではないので、詳細な部分は分かりませんが、
淹れ方の少しの違いが、味に多大な影響を及ぼすことを実際に体感。


ペーパードリップ恐るべし。そしてカップの深さ以上の「深さ」を知りました。


淹れたての珈琲を飲みながら神戸珈琲さんのコーヒーピーナッツと羊羹(ようかん)を頂いていると
心がほんわかまったりとしてきてこの後、演奏することが頭の中で少しずつ遠のいて行きます。。。




なんて優雅な午後。

中庭で風に揺れる木々。

まるで時が止まっているかのような空間。

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穏やかな時の中で、次は珍しい珈琲豆の紹介。


コロンビア産の品種で『サントゥアリオ ゲイシャ』という100gなんと2000円!!の
とてつもなく希少な豆。ブルーマウンテンの遥か上。

この豆のことを少し。

サントゥアリオ農園では当初からスペシャルティコーヒー、すなわち「至高のコロンビアマイルド」を
目指し、苗木の播種(はしゅ)(種まきのこと)、収穫、精選にいたるまで非常に高いクオリティを持った
作業マニュアルを作り上げられている。施肥管理は有機肥料の投与のみ行い、また標高が高いため、
害虫の問題は皆無で、農薬の散布は行っていないとのこと。


この豆を実際に試飲できるとのことで、一気にテンションが上がります。

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香り(アロマ)は個人的には尖ってなくて、かつまろやかに感じました。
味は。。。酸味が特徴的で、後味が非常にすっきりとしていたように思います。


tinörksのメンバー霜野さん曰く、2口目、3口目が特に美味しいと言っていたのも印象的。
あと、幻の豆には幻の「淹れ方」があるんじゃないかって(笑)


このゲイシャの品種は「フローラル」「フルーティ」な香りが特徴的らしくて、
そう言われるとまるで果物のエッセンスが入っているかのような、今まで飲んだことがない、
コーヒーの味としてはとても不思議なものでした。


ゲイシャの香り、その至高の余韻に浸りつつ、ワークショップは終了。


演奏のことをすっかりと忘れてた。。。
コーヒーの香りに後ろ髪をひかれつつ、すぐに機材のセッティングに取り掛かり、
tinörksの演奏がスタート。

去年のイベントは会場が2階でしたが、今回は中庭そばにある会場で絶好のロケーション。


木々や草花、木洩れ日や雲のない空、風に揺れて白壁に投影される木々の影。。。


tinörksとして、演奏者としてこれ以上ない絶好の空間。


今回は1部、2部とも


「fullerene」(フラーレン)

「komorebi」(コモレビ)

「homing」(ホーミング)


の3曲を演奏。

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ステージで演奏していると、客席後ろの窓の向こうで太陽光を浴びてきらめく
木々が風に揺れる場面が幾度となく訪れました。


「揺れる」その穏やかなリズムと音楽を同期させるかのように心地良く演奏。


部屋の中にいるのに、自然の中で音を紡いでいる感覚。


珈琲の香りが音に混じって、異国の場所へ旅に連れて行ってくれるような。

音楽を聴いてもらうというよりも、雰囲気を聴いてもらっているような。


もう少しイメージを広げると、聴いて頂く方の心の中で、それぞれに見える
風景自身が鳴っているような瞬間があったかもしれません。





tinörksの音楽は、身構えて聴くというよりも、「きっかけ」になる音楽かなと思います。


例えば、珈琲を飲むときの「カップ」であったり、その空間の「インテリアのひとつ」であったり、
器的な位置付けが近いのかなと思います。

tinörksの音楽を通して、その先にある、それぞれが見たい景色への
橋渡しを、「音」を使ってお手伝いできればと思っています。


これからも、そのきっかけを作れるような音楽を作っていくつもりです。

tinörksの音楽を聴いて頂いた方々と、またきっとどこかで
お会いできる日を楽しみにしています。

素敵なイベントに参加できて、本当に幸せな一日でした。

みなさん、ありがとうございました。

あ、お土産の内容ですが、
こんなにたくさん~!

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Klita製のコーヒーフィルターとドリッパーとメジャーカップ
神戸珈琲のコーヒーピーナッツ
神戸珈琲のブランド豆「HAITI」(Blue Pine Forest)
水羊羹

写真には映ってないですが、珈琲のおいしいたて方、
神戸珈琲物語、希少豆『サントゥアリオ ゲイシャ』などの資料も。








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☆あとがき


今回、幸運にも珈琲の「淹れ方の違い」による味の違い、美味しさの違いを知ることができて、
とても面白かったのですが、よく考えてみると、普段飲んでいる珈琲が本当に
美味しいのかということに関して、少し疑問を持ちました。

これは珈琲以外の多くのことがらに当てはまるひとつのヒントになると思います。


美味しい淹れ方を知った上で、味わうこと。
事前に美味しい淹れ方とそうでない淹れ方による
「味の違い」を知ること。

人は、「モノ」を、その差分を知ることによって、はじめてそれが良いモノなのか、
または良くないモノなのかを判断することができます。

日常の中で、「これは質がいいものです」や「とにかく美味しい」、「良質な音楽です」などという表現に
出会うことが多々ありますが、そのものの質を消費者側で主観的にどれだけ正確に判断できているのか
疑問に思いました。


口コミは、それを評価する人を信頼できるか否かが判断基準になったりしますが、
そうでない場合、そのモノの質を見極めるというよりも、それ以外の要素で
そのモノの質を決めているような気がします。

だから、「こうすれば言い」ということを言いたいのではないのですが、
モノの価値基準を判断する時の、少しのヒントを
『おいしいコーヒーとおいしい音楽の会』に参加して、知ることができたように思います。

自分で淹れた珈琲は、淹れ方が良くなくて結果的には、酸味が非常に効いた味になってしまいましたが、
それを高橋さんが淹れた珈琲やメンバーが淹れた珈琲と比較することができたので、
皮肉にも「本当においしい珈琲の味」を知ることができたわけです。


もし自分で淹れた珈琲の味が高橋さんと同じものだったら、この先も
「おいしい珈琲の味」を知らないままで、または「おいしさ」を漠然と判断して過ごすことになっていたと思います。


「モノ」と「モノ」の差分、違いは、良いか悪いかを判断する為に存在しているわけではなく、
どこがどれだけ違うのかという「面白さ」に「気がつけること」がとても大切だと思います。


僕は音楽に関しては作る側にもいますが、生み出す音楽に他と「違い」があることに
エネルギーの大部分を費やしています。


具体的に書くと、10万字以上になるので、割愛しますが、
「違い」は通常「モノ」の中の奥に潜んでいると思います。

そしてあらゆる「モノ」のもっともおいしい「違い」は簡単には見つけることができません。
それは努力が必要だったりするからです。


けれど、今回のようなワークショップがあると、
おいしい「違い」を簡単に知ることができると思いました。


上手く考えが纏められていませんが、今回のイベント中で、自分で淹れた珈琲が
「おいしくなかった」ことに逆に感動し、そこから雪崩のように色々なことを
知ることができて、とても有意義な時間を過ごせたということを
単純に書こうとした結果、これだけの文字数になってしまったということです。




建水

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