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2015-05-01

遊牧する紅

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4/29 心斎橋オンジェムにて『写LOVE倶楽部』のイベントにて演奏させていただきました。

ショーケースという主旨のイベントでしたので、
ライブを聴いていただくというよりも、
音楽で会場に花を添えるというような演奏。

2週間前に演奏曲のテーマをいただいて曲作り。

新曲4曲を含む演奏時間計なんと1時間15分!

今回はイベントのコンセプト上自分たちのMCはないので
純粋に1時間15分の演奏。

楽曲中心の演奏時間としてはtinorks史上最大。

tinorksが出演させていただいたのはFEELING ART=TOMOさんが
ライブペインティングをされる間。


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構成としては

起承(1部)

転(2部)

結(3部)

の3セクション。




set listは


[1部]

1. Homing
2. 風へのトルソ
3. 花鳥風月(新曲)
4. バオバブの朝(新曲)
5. Tarsier(新曲) ターシャ




[2部]

4. インプロ
5. Komorebi
6. Rigel




[3部]

7. north
8. インプロ
9. sinfonia(新曲)




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ecotone時代に書いた「風へのトルソ」は2012年の北欧ピクニックの時に
一度演奏しただけで、今回で2回目の演奏。

1部の各新曲は時間が「花鳥風月」6:30、
「バオバブの朝」11:00、「Tarsier」13:40

後2曲が通常の2曲分の長さ。

新曲で弾くキーボードはいつも使っているnord lead2ではなくて
すべてTriton(トライトン)の音色セット。

曲を書くだけでなくて、アレンジや各トラックのレコーディング、
そしてライブ用の音色セットの作り込みと今回は本当に
内容が濃いので仕込みが大変でした。

けれども、それだけにいつもよりは何倍ものエネルギーが生まれて
おもしろい曲を書くことができました。
(締め切りの存在はもろ刃の剣です)


今すぐに音源を聴いていただくことができないので残念ですが、
世界観だけでも伝えることができるように曲解説を書きます。




3. 花鳥風月(新曲)

今回のイベントはカメラや撮影がテーマのひとつとしてありました。
外人の女性モデルさん2名が神舞衣(カムイ)さんの着物(とてもモダンなもの
)とmojito(モヒート)というイギリスの建築家・ジュリアン・ヘイクス氏がデザインした
ヒールを身にまとって被写体をされてました。

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(土踏まずがなく近未来的なフォルムのモヒート)


そういう観点から、「外国人から見た日本的なもの・和」というテーマをいただいて
書いたのがこの曲。

ハープの音を琴に見立てたり、ローウィッスルを尺八に見立てたり、
それらをシンセの音と混ぜて日本の四季のうつろい、はかなさを表現。

最近のtinorksの雰囲気から、かけ離れていますが、
今回の新曲群の中では最も思い入れのある曲。

松岡正剛さんの『花鳥風月の科学』を読み返しながら
日本人が思う「和」と外国人から見た「和」をそれぞれ想像しながら
そのどちらでもないちょうど中間を描こうと。

日本人が一歩引いてあえて日本らしいものを表現するという観点がおもしろいなあと
個人的に思いますし、この考え方は他の曲作りにも応用できるなと思っています。




4. バオバブの朝(新曲)

アフリカ、エスニック的なものというテーマをいただいて書いた曲。

アフリカをイメージして最初に思い浮かんだのはカリンバ、ピラミッド。

ピラミッドはあまりにもベタなので、カリンバの音を使おうと思って
進めましたが、過去にどこかで演奏したフレーズに似てたり、アイデアが浮かばず、
すぐに煮詰まりました。

音色をチェレスタに変えていくつかのリフを考えてるうちに構成ができて
そこからは一気に最後まで仕上げ。

チェレスタは小型のアップライト・ピアノのような形態の楽器で、
フェルト巻きのハンマーにより、共鳴箱付きの金属音板を叩いて高音域を発生させる楽器(wikiより)

なのでアフリカではないのですが、音程をdetune(デチューン 微妙にずらす)させたり、
スケール(音階)にない音をリフに組み込んだりして、
響きをアフリカ的、和声感を希薄にしています。

メインメロディーは前半、インディアンフルート、後半、ティンウィッスルという
今までにやったことがない組み合わせ。

バオバブの木のほのぼの感、包容力と大地にそびえる壮大さ、
そして生命のはじまり、躍動を告げるいくつかのリズムを表現しようと。




Baobab


バオバブの木は

サバンナ地帯に多く分布し、高さは約30メートル、直径は約10メートル。
年輪が無いため樹齢を知ることは難しいが、数千年に達すると言われる。
中は空洞になることが多い。葉は幹の上部につき、乾季に落葉する。(wikiより)

木の形にぐっときますね。




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(赤いVIPルームで撮影しているイルコ氏)




5. Tarsier(新曲) ターシャ

レゲエをモチーフにしたものという依頼をいただいて書いた曲。

ターシャというのはセブ島に生息する世界最小のメガネザル。

大きさは女性の握りこぶしくらい。
夜行性で昼間は木の上でほぼ寝て、時々目を覚ますらしいです。

ある人が4月下旬にセブ島へダイビングに行く予定でしたが、
都合がつかなくて行けなくて、それの慰めの意味も込めて
このタイトルにしました。

特に深い意味はありません。

ターシャの写真をはじめて見た時(あえてここでは画像を載せませんが)
その顔にびっくりしたのは言うまでもありませんが、
もしターシャがベースなんかを弾きながらレゲエを踊ったら面白いなあというのが
そもそものはじまりです。

レゲエの感性というか引き出しは正直、自分の音楽の歴史の中で
ないもので、制作に関してとても苦労しました。

ボブマーリーの曲は聴いたことがありますが、
自分の中に要素、情報がほとんどない。

ネットで調べたり、試行錯誤の繰り返しの日々。
けれども、時間が圧倒的にないわけで。

フラーレンにレゲエのリズムを取り入れてやってみようかとか
なかば諦めかけていた本番4日前に頭にコード進行が急に降りてきて
この循環コードなら行ける!って思い、そこから一気に構成とリズムトラックを制作。

そこから2日後のスタジオリハにとりあえずデモ音源が間に合ったという
なかなかひやひやする思いでした。

2、4拍目のアクセント(ンチャ、ンッチャ)を強調しつつ、ベースは重い感じにして、
テンポとリズムの揺れの微妙な調整を繰り返し、グルーヴを決める作業。

普通のレゲエを普通に踏襲するということはしたくなかったので、
tinörksがレゲエをやったらこうなるという切り口というか、
面白さみたいなものを出せるように神経を使いました。

本番で演奏している時、おそらく最初で最後のレゲエの曲になると思ったので、
感慨深いものがありましたね。




2部のセクションを挟んで
3部の最後、いわゆるフィナーレにあたる部分で演奏したのは


9. sinfonia(新曲) シンフォニア


意味は

ギリシア語の「syn-(~とともに)」+「phone(音)」を語源とするイタリア語で、
元来は漠然と合奏曲を意味する言葉。(wikiより)


音楽だけではなくて、その場に生まれるすべての表現が
組み合わさって奏でられるもの。

先日見た舞台「麦ふみクーツェ」のテーマともかぶりますが、

つながるはずのなかった人が、音を奏でる、響かせ合うと
その人同士が自然とつながる。

それは音楽だけではなくて、何かしらの表現、
絵を描いたり、カメラで写真を写したり、声を出したりしても
同じだと思います。

それは、自分がいる世界が広がっていくことにもつながって、
やがて少しずつ未来を彩ることにもなると思います。

フィナーレは終わりを意味しますが、
それは未来に続く希望を含んだもの、
今その瞬間をやわらかく肯定してくれるものにしたかったので、
そういう意味を込め、この曲を一番最後に位置づけました。

弦の音をはじいて鳴らすエンヤ的ピッツィカートの音をリズムに
4つの和音のループを深海のピアノで、コーラスと
フルートで流れを作りました。


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(フィナーレに向かって少しずつ姿を現す「写LOVE倶楽部」のロゴ)




この日のために書いた4つの曲は、今までのtinörksの曲と比べると異質ですが、
いつかまたどこかで演奏できる日が来るような気がします。




今回、とても貴重な演奏の場をいただいて、
記念すべきオープニングパーティーに立ち会えたこと、
本当にうれしく思います。

タカさん、カズさん、FEELING =ART TOMOさん、イルコさん、
他、出演者の皆様、スタッフの皆様、ありがとうございました。




建水

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