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2016-06-12

Claps in the Terrarium

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5人編成となってまさに船出にふさわしいライブ

国の登録有形文化財に指定されている
多田銀銅山の銅精錬所を営んでいた
平安家の邸宅だった場所
「旧平安邸」にて奏でられた6曲

5人編成でのライブは5月のHard Rainが
はじめてでしたが、個人的には
この日にかける想いは特別なものがありました。

演奏場所や依頼をいただいた方々、
そして東谷ズムのコンセプトや
空気感は自分にとってクリエイティブな
ツボを存分に振るわせるもの。

それは音楽を生み出し、奏で、表現することの
源泉、そのエネルギーとなるもの。




当日は予報通りの雨でしたが、
しかしその雨を開演前には見事にくつがえし、
用意していただいた席数以上にお越しいただいた
たくさんのお客さんにお聴きいただいたこと、
何よりもうれしくて、かけがえのない
ひとときでした。

すべてのお客さんひとりひとりに
心から感謝しています。
ありがとうございました。


そして演奏の準備から、些細なことまで
丁寧にサポートしていただき、
気遣っていただいたスタッフの方々、
それから去年に演奏依頼をいただき、
打合せの段階からたくさんの御配慮を
いただいた実行委員の米田さん、東さん、
心から感謝しています。




この日、今のメンバー、準備期間、アイデア、
できることの最大限を尽くして臨みました。

機材トラブルがありましたが、
それはまさにリアルな"ライブ"の醍醐味として
演出の一部であったかのように思っています。







【Set list】

1. I LO HA (3人編成)

MC(新メンバーを呼び込み)

Opening
2. Komorebi
3. Rigel

MC

4. Railnöscape
5. Terrarium

MC

cello solo
6. Sinfonia




1曲目の「I LO HA」は
日本でライブで演奏する予定は
考えていませんでしたが、
打ち合わせの時に旧平安邸を見学させていただいて、
伝統的民家の特徴と近代和風建築の様式を備えた
空間から、I LO HAの雰囲気に通じるものを感じたので、
ライブの導入的な意味も込めて
セットリストに加えました。


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(I LO HAでは南部鉄の風鈴を演奏 澄み切った音色が空間にかすかに響きます)


歌ものから始まるという点でも
TINÖRKSのライブでは珍しいです。


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(本番のトラブルがまるで演出であるかのように会場を和ませてくれたMCも担当する雫)


その後、ベースの松永さん、チェロの矢原さんの
新メンバーお二人をお迎えし、
クインテット編成での演奏


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「Komorebi」や「Rigel」のおなじみの曲も
アレンジを変え、リズムの核となるベースが生演奏に
なったこともあり、さらに曲の雰囲気がオーガニックに、
バンド的になりました。

そしてチェロの叙情的な音色が加わることにより、
楽曲本来の世界観が取りこぼしなく
表現できるようになりました。


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(まるで涙腺をたどるような音色が印象的なチェロの矢原さん)




この日は、東谷ズムと切っても切れない関係にある
能勢電鉄をテーマにして書いた曲、
川西音灯り2013のステージで唯一演奏した
Railnöscape(レイルノスケイプ)の
2016年版を演奏。


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(一音一音、音が入る場所に意味をもたせ、リズムを完璧に揺らし、そして暖かいフレーズを生み出してくれるベースの松永さん)


5人編成で演奏すると曲の雰囲気が
ものすごくハッピーになって、
スタジオリハの時でも思わず
笑ってしまうことがありました。

僕が影響を受けたペンギンカフェ・オーケストラが
エレクトロニカな曲を書いたらこんな感じに
なるような気もしますが、
今のTINÖRKSの方向性を最もよく表している曲の
ひとつだと思います。


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(低音域をつかさどる二人 太い幹が枝や葉を支えるように)


今回のハイライトはこの日のために書きおろした曲
「Terrarium」(テラリウム)

2012年の初めに書いた「Fullerene」(フラーレン)という
植物の成長をテーマにした曲の続編となります。

自分で叩いたクラップ(手拍子)音をリズムトラックに使用し、
開放感を出し、ほどよくノレる曲に仕上げました。

テーマは容器の中で成長する水生植物や生物を
地球に例えて、それぞれが人生を謳歌して、
すべての生物が地球の中で関わり合いながら
生きていくその奇跡とも言える様子を
音で表現しています。


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今生きていること、その素晴らしさを
自分自身で讃えること。

それ以上でも、それ以下でもなく、
それは毎日繰り返す日常であったとしても、
奇跡だと思うし、生命が存在するというのは、
それだけでかけがえのないこと。




ところで、このTerrariumという曲には、
音楽的に少し実験的な要素を盛り込みました。

キーボードを弾く部分とスパークシェーカーで
リズムを弾き出す部分、
中盤以降ではベースソロがあったり、
そして曲の一番最後の所では、
メタロフォンを演奏している雫以外のメンバー4人が
全員、ハンドクラップのリズムをユニゾンしたり。


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他メンバー曰く、担当する楽器よりも
クラップの部分が一番緊張するとのことでしたが、
スタジオで練習した時よりも、本番の方が
リズムが合って、とてもいい感じのグルーヴが出せました。


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(テラリウムの後半部では唯一無二の虹色のグルーヴを生み出してくれるguitarの霜野さん)




実は、機材の同期的なトラブルがあったのですが、
メンバー全員それをモノともせず表現できたので、
みんな、さすが百戦錬磨というか、
振り返ると改めてすごい集中力のかたまりでした。

ライブの最後を締めくくったのは、
Sinfonia(シンフォニア)

イタリア語で合奏曲を意味する言葉ですが、
音楽を奏でているそのわずかなひと時でも、
一緒に笑ったり、和んだり、ほのぼのしたり、
楽しんだり、風景を夢見たり、
それがやがて合わさって、まるで空間を
ふるわせるような合奏、ハーモニーになればいいなと
いう想いを込めています。

その素晴らしさをライブの最後に祝福したいなと
いう気持ちもあります。




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(雫のset アイリッシュ・フルート、ラップハープ、メタロフォン、バードコール、レインスティック、メロディオン、
隠れて写ってないですがティン・ウィッスル)




聴こえてはすぐに消え、またその次の音を聴いてという風に、
決して時間を巻き戻せないライブという空間で、
風景を見ることもまた同じです。

例えば、体内から呼吸によって息を生み出し
それをフルートを通して音にするように、
他方、筋肉を躍動させて指に伝え、
そのエネルギーで弦を弾き音を生み出すように、
そしてそれらがライブでは戻れない時間の中で、
ひとつの音楽になり、演奏者は
常に生命を燃やし表現します。

ライブというのは、字の通り
生命が宿るもの、しかもそれが
この日の会場は、平安家の人々が
かつて暮らしていた場所であることも関係し、
ずっと前から絶えず続いている歴史、時間の
レールの上にいたという実感があり、
それは空想のように不思議な感覚でした。


ジャンルの域を越えて、たくさんの方々に
お聴きいただいて、一緒に時間を共有させていただいたことは、
TINÖRKSにとって誇りでした。

次回のライブはまだ具体的に決まっていませんが、
またいつかどこかでみなさんに
お会いできることを、心待ちにしています。

音楽の風を受けた帆をゆるやかに張りながら
5人を乗せた船は大海原へ

北の空にまだ見ぬ星座を探すように




建水




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