2014-06-13

屋久島旅行記ⅴ (nostalgi)

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波の音が引いていくように目覚めたら朝。

4日目の朝ともなるとどことなく屋久島に
なじんでいる皮膚感覚があるので不思議。

最後の朝食を民宿でとる。
休日明けだからなのかどうか分からないが、
他宿泊客は誰一人としていない。

「今日でお帰りだったかしら」と民宿のおかみさん。

名残惜しいけれど、屋久島はもう記憶の一部でしか
なくなろうとしている。

民宿から見える見慣れた景色もどこか遠い。

4日目は帰省のみなので、屋久島を体験できた日は実質3日間。
とても心に残る体験もたくさんあったけれど、
行きそびれた場所もたくさんある。

けれど、短い時間の中、心は充実していた。

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屋久島に住んでみると、海の透明の青でさえ、
すべては日常になるのだろうけど、
自分にとって、屋久島で過ごした約58時間は空想に近い非日常だった。

大阪で過ごすよりも5感で感じる差分が多いからだろうけど、
全ての要素が違和感なく体と心に染み渡ってくる非日常は不思議と心地いい。




朝早いこともあり、港へ向かう道はすいていた。

誰もいない高速船乗り場で椅子に座り、待ち時間の間、
PCを開いて屋久島をたぐり寄せてみる。


まっさきに頭に飛び込んできたのは、永遠と繰り返す波のうねり。

波はきっと運んでいる。

離島である屋久島が海を通してあらゆるものとつながっていること。

そう考えると、いつの日かまたここに来れそうな気がした。

たとえまた来れなくても、波の音を思い出せばいい。
星の無数をまぶたの中に思い浮かべればいい。
圧倒的な屋久杉の緑に視界を覆われればいい。

この瞬間にも海中の白砂の上をエイは静かに進んでいる。





鹿児島南埠頭行きの船が出港の時間になった。

待合室はトレッキングのリュックを背負った旅人で溢れていた。

ゲートを歩いていると海からの風が強い。

向かい風。

船内から、ほどよくかすんで見えるはるか向こうの山の峰々。

記憶を掻き消しそうな船内にとどろくモーター音。
耳がキーンとなって、無音の世界が現れた。

窓越しにまだ見ぬ樹齢3000年の縄文杉を想像するだけで精一杯だった。





建水


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2014-06-04

屋久島旅行記 ⅳ(into the YAKUSHIMA Blue)

屋久島旅行も3日目。

白谷雲水峡のトレッキングの疲れはまだ出ていない。
歳なんだろうか。

昨日出会ったウミガメは無事に海を回遊しているのか想像してみる。


今日の空は予報通りの雨。
そこそこ降っている。
午前中の予定は人生初のスキューバダイビング。

ライセンスが要らないコースで、超初心者が潜る水深5m。

事前に予約していたショップ「エバーブルー屋久島」へ。

インストラクターの方から注意事項や海中でのジェスチャーの意味、マスク、レギュレータの
使い方の指導を受ける。
海中では擬態化した生物に触らないことや耳抜きを自分のタイミングでしっかりと行うことなど。


説明の後はウェットスーツを着用。
着てみるとなかなかそれらしくなるので不思議。

他の参加者も二人いるので、その方々の準備が終わるのを待ち、
いざ、一湊(いっそう)の浜へ!


到着後、ストレッチを早々に終わらせ、酸素ボンベと重りを腰に装着。
ダイバーらしくなってきた。
合計重量しめて20㎏。
重いけど、まだ大丈夫。動ける。

ゆっくりと進み、途中こけそうになりながら浜へ。

膝くらいまで海に浸かり、両膝をまげて実践講習開始。
レギュレーターを使って水中で呼吸してみる。
口の形を「あ」、「い」でレギュレーターを加えて、「う」で固定。
1回目、上手くいかず「ごほっごほっ」とあえなく撃沈。
2回目、口の形を固定することを意識すると上手く呼吸できた。

しんどくなくずっと潜ってられる。

不思議な気分。

何度も呼吸を重ね、慣れてきたので両足にフィンをつけて海中へ。
思ったよりも全然冷たくない。

水温25℃。

黒潮の影響らしい。
外気よりも温い。


石をつかみながら地面を這って体が完全に浸かる水深に到着。
映画ニモのいとこのクロノミが数匹目の前で泳いでいる。

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小さな体に黒とオレンジと水色のストライプ。

一匹はほんの20センチほどの距離でこちらを見ながら止まっている。

手を近づけてみると背後のサンゴに身をひそめるけれど、
人に慣れているのか少しするとまた近づいてくる。

魚と同じ水槽にいる気分。

インストラクターの合図で前方へゆっくりと進む。
頭上を見ると水面に雨が落ちていくつもの波紋模様が広がっている。
海中は屋久島ブルーと評されるほど青く透明で、10m先も見通せるほど。

回りにはサンゴの形をした黒い岩がいくつかあり、
先程の場所とは打って変わって大きな魚が何匹も泳いでいる。

呼吸による泡の音が響くだけの静謐な空間。
耳抜きをした後、魚の群れを目で追ったり、
海底に広がる白砂の大地の先をずっとみつめてみたり。

5m先の白砂の上すれすれをエイが先を急ぐ光景。


一定間隔の呼吸を繰り返し、空には水面が、足元には大地が、
その間を魚が泳ぐ世界。

浦島太郎が見た竜宮城はこれに近かったのかなと想像してみたり。


インストラクターの方曰く、この場所では、
運がよければウミガメに出会えるみたいだけど、この日は姿を見せず。


約40分のダイビングの後、浜に上陸し帰還。
青の世界に見とれていて感覚を忘れていたけど、
ボンベや重り、そして水を吸収したウェットスーツの重さが
自分を我に返し、それとともに疲労が体に一度にのしかかる。

駐車場まで戻れるか不安になるほど。


ボンベや他の装備をはずし、ふらふらになりながら脱衣所に向かい着替える。


体力を予想以上に使い果たしているみたいで頭がふらふら。


帰りの車の中では気分が悪いのも手伝ってぐったり。


ダイビングの記憶が遠くに意識が薄れていく。










目覚める。
民宿の布団の中。


脱力感だけがしっかりと伝わってくる。
いつのまにか雨は止んでいた。


少しぼーとする。


短時間で非日常の体験をすると、
それは想像の中の出来事なんじゃないかなと思うことがよくある。


今回、ダイビングしたのもそれと似たような感覚。


本当に見た世界は一体何だったのか。


レギュレーターを通した呼吸音に記憶が紐付されているのか、
地上にいるとずっと潜っていたという実感がとても曖昧。

空想の世界を回想するように、少し遅めの昼食を「ヒトメクリ.」で。


注文したタイカレーがあまりにも辛く、脱力感をふっとばし、今は現実なんだと強く痛感させてくれる。
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味は間違いなく美味しいけれど、辛さが半端ないわけで。

同時に注文した屋久島特産の「たんかん100%ジュース」で喉を中和させる。
※たんかん・・・ミカン科の常緑樹。ポンカンとネーブルオレンジの自然交配種のタンゴール (tangor) の一種。


そしてスイーツは店オリジナルのハニートースト
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キャラメルとアイスが絶妙で癒される。


「ヒトメクリ.」の後は、昨日、ウミガメの産卵を見たいなか浜へ行くことに。
目的は波の音のサンプリング(集音)と砂と貝殻をいただきに。


産卵の時はほとんど夜だったので暗くて景色を楽しめなかったので、
浜でゆっくりとくつろぐ。
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微妙に異なる間隔で打ち寄せる波のループ。
風の消えた島で色々な想いを引き出してくれる。

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海と陸の境目。

果て無く続くように思われる海の向こうの地平線。


何もない。


想像だけが溢れる世界。


考えないようにしようとするけれど、
どこかで旅の終焉を考えてしまう。


考えが複雑になればなるほど余計なものも溢れる。

本当に必要なもの、必要な考えは正味一体どのくらいあるのか。

目の前の空と海と背後の山々だけを、この瞬間考えるように、
余計なものをすべて削ぎ落として、本当に大切なものの中にたたずみたいと思う。


素足で砂を感じ、そこに潜む波の余韻までも汲み取れるような感覚を持っていたい。

レコーダーに録った波の音。


それは、いつの日か心の拠り所になっているのだろうか。

いや違うかもしれない。


戻る場所ではなく、そこに行きつく為の指針となっているはず。

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旅の終わりは近い。

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2014-06-02

屋久島旅行記 ⅲ(ウミガメ産卵)

ノマドカフェ、雑貨店のHONUに行っていた相方と合流しKITCHEN&CAFE「ヒトメクリ.」にて夕食。
民宿からほど近く、かつ21:30まで営業しているのでとても使い勝手のいいカフェ。
屋久島にあるお店はほとんどが遅くても18時頃には閉まってしまうので、
大阪に住んでいる感覚だと少々不便さを感じる。

自家製飛び魚スモークの和風を注文。
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引き締まった飛び魚のあっさしした身とのりの風味が絡まりかなり美味しい。
トレッキングで疲れた体を再び充電してくれる。

夕食後、ウミガメ観察ルールガイドブックにて予習。

ウミガメ観察会は民宿のある宮之浦から西へ車で30分程の永田いなか浜で行われる。

道中、Bittan candle(ビッタン・キャンドル)に立ち寄り手作りのキャンドルを購入。
火を灯すとキャンドルの側面に描かれた模様が影絵のように照らされる仕掛け。

永田浜は太平洋最大のアカウミガメの産卵地。
4月下旬から8月上旬頃の間、21:00から翌日の3:00にかけて上陸し産卵をする。
上陸したウミガメは波のかからない場所に時間をかけて穴を掘り、卵を産み落とす。
途中、穴掘りに失敗することもある。

ウミガメはその一生を海の中で暮らし、産卵の時にだけ砂浜に上陸する。
日本で生まれたウミガメは太平洋で回遊生活を送った後、日本近海で生活をする。
そして親ウミガメになるまでに30年程かかるとのこと。

ちなみに、ウミガメは光をあてると産卵をせずに海に戻ってしまうとのことで
観察会ではカメラや動画の撮影は禁止。








(tinorks 『nayuta』よりカメとクジラの曲)

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曲線を描く海辺の道。
遠くのオレンジに射し込む夕陽に導かれながら浜へ移動。

パノラマに広がる地平線が非日常の光景。
海と空を波が撫でる世界。

いなか浜に到着。
辺りはすでに暗い。

参加する人もそこそこ集まっており、結果的には80人の参加者。
受付を済ませ事前の注意事項をまとめた映像とガイドの方によるレクチャーを聴講。
産卵はウミガメの気分次第になるので、昨日は23時からようやく見学できたらしいのだが、
今日はレクチャー中にすでに産卵が始まったとのことで、
二班に分かれてさっそく浜に移動。

ウミガメの性質上、ライトは点灯できないので、真っ暗な砂浜の上を目が慣れないまま、
感覚を研ぎ澄ませて一列で移動。

暗闇に目が少し慣れたきたところで、産卵中のウミガメの背後に到着。
長い時間かけて掘ったと思われる深さ60センチ程の穴に光があてられ、ぽたぽたと産卵している。
(※ウミガメは肺呼吸なので陸上で産卵する必要がある。

同時に産み落とされる卵は2,3個程度で、全部で150個程産卵する。
40人ほどの見学者が順番にカメの真後ろ30センチ程の場所で見ることができ、
その生々しさ、生命誕生の瞬間、非日常の光景に各々感動の声をあげている。


にわとりが卵を産むことすら見たことがない人間がはじめて見た産卵の様子が
ウミガメというのはとても衝撃的なこと以外なにものでもないわけで。。。

映像ではもちろん見たことがあるけれど、実際に目の前で白玉よりも二回り大きな卵が
穴に落ちていく様子は、頭では分かっていても理解するのに少々時間がかかるものでした。


後ろで待っている方と交替し、漆黒の闇の中でノマドカフェで買った漁サン(漁師御用達のサンダル)を脱ぎ、
足の裏に永田浜を記憶させながらふと空を見上げる。



ひとつやふたつではない。
光の大きさがまちまちの星という星が星座をかたどるより多く、空一面に輝いている。

とっさに「うわっ!」と口から音。

強烈なものを見た時、綺麗やすごいよりも、もっと原始的な感嘆詞が条件反射する。


プラネタリウムを見て知識としてはあったけれど、
空には、宇宙にはこんなにも星が存在していたのかと。

プラネタリウムや映像とは違う、無数の星の波長を体で体感しているイメージ。

この宇宙の下で、まさに今、ウミガメが卵をぽたぽたと産み落としている。

この風景、いったい何なんだと。




詩人は口から言葉が溢れ、絵描きは手に意志があるように筆を動かし、舞踏家は五感を超えて舞う。

音楽が聞こえる。


僕らは例え遠くに行けなくても、特殊な準備をしなくても、この世界で起こるほとんどの事象を
記録された映像、写真で体験することができる。

それは貴重な情報資源であり、世界を知るためのとても有効な手段。

けれどもそこには何か決定的に重要なものが欠けていると思う。


それは例えば、同じものでも、愛情を込めて作られた手料理とレトルトの料理の違いや、
自筆の手紙とそれを印刷した手紙、生演奏とそれを収録した映像や音源など...


人は多かれ少なかれ感動する時、目には見えないものを見ていると思う。

それが何なのかは具体的には分からないけれど、高精細のカメラで記録されたウミガメの産卵の様子と
今、まさに目の前で行われている産卵の様子は違うものであることははっきりと分かる。


想像してみると、それは物語の要素かもしれない。


その感動にいたるまでの経緯やプロセスが重要で、そのもの自体は極端に言えば感動するものではないかもしれない。


ずっと自然とはかけ離れた環境で育って、大阪から遠い屋久島を訪れ超自然というべき緑や景色に出会い、
その自然の循環を体感、想像を触発させられた後、宇宙が広がる空の下で生命の始まりを見るという物語。

そして物語の中では意識せずともどこかで五感を使っている。


上記に書いた、「愛情を込めて作られた...」などの比較の後者に挙げたものは、一連の物語が
希薄で、かつ断片的である。




ふ化した子ガメは、3~7日かけて地表へ移動し、夜になるのを待って、一斉に巣穴を脱出し、海へと向かうらしい。

産まれたての子ガメを食べようと、陸上では獣が、海では鳥や魚が狙っていて、
無事に成体になるまで生き残ることができるのは、数千匹のうち、たった1匹だけらしい。
ふ化する前から常に命の危険と隣り合わせ。

生き残ったウミガメが成長し親となり、やがて再び浜に戻って産卵する。

その間約30年。

その物語の1シーンに立っている。








1時間ほど過ぎた後、産卵を終えたアカウミガメは前足と後ろ足を漕ぐようにして掘った穴へ砂をかぶせていく。

元気なカメらしく、特に前足で漕いだ砂が2,3m後ろまで届くほど。

休憩しながらようやく巣穴に砂をかぶせることが終わり、海に帰るように思われたが、
遅々としてなかなか進まない。

巣穴の穴掘りや産卵にエネルギーを使ったのだろう、うずくまり、時折、「ふがー」と鳴き声を発する。

ウミガメの鳴き声。

疲れ声のようにしか聞こえないが、カメの鳴き声に驚かされる。


観察見学者でいつのまにか作られた花道を、のしのしと波の音へ消えていく一匹のカメの姿。

空には名も無い星がまだ輝いていた。


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2014-05-30

屋久島旅行記 ⅱ(白谷雲水峡)

二日目

昨日に引き続き空は快晴。
気温は長袖のTシャツで調度いいくらい。
まさにトレッキング日和。

屋久島は一年の365日の内、366日雨が降ると揶揄されるくらい雨の日が多いらしい。
そのためレインコートを用意したけど、この日はいらない予感。

民宿にはトレッキングが目的で訪れる人が多く宿泊しているので、
朝はみなさん早く起床されてにぎやか。

山中泊される方もいるので荷物や装備が本格的で、
パンツと靴以外はとてもカジュアルな自分とは大違い。

屋久島と言えば縄文杉が有名で、ジブリ映画の「もののけ姫」の舞台でも知られるところ。
ただ、縄文杉を見に行くルートだと往復10時間くらいはかかるらしくて、体力的に
とてもじゃないけど無理だと判断。
日頃、夜勤だと17時間もPCの前でデスクワークしている人が、日頃少しのウォーキング以外
ろくなトレーニングもせず、気軽に挑めるほど10時間のトレッキングは甘くはない。

今回選択した白谷雲水峡のコースはガイドブックだと2時間(休憩含まず)、
初心者でも大丈夫的な文句が書いてあるけど、結果的には体力不足が露呈され撃沈されました。

民宿から白谷雲水峡入り口の白谷広場まで車で向かう。
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途中、ヤクジカと子持ちのヤクザルに遭遇。どちらもこちらのことを認識するも
特に興味があるそぶりを見せず、特にヤクザルに関しては止まった車の脇を
すーーーっと通り過ぎていくだけ。

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行きの高速船トッピー内で見た屋久島マナー動画の中では、「ヤクザルが車のボンネットに
上がってくる場合があるので...」ということが紹介されていたけど、
こちらがちょっかいをかけなければ、向こうも興味がないと思われる。

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しかし、ヤクザルにこうも早くに遭遇できると屋久島に来た実感が一気に増してくる。


車で30分走り、宮之浦から約12キロメートル、標高620メートルの所にある
白谷雲水峡の入口「白谷広場」着。
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思ったよりも登山客が多い。

いざ苔むすの森(もののけ姫の森)へ。

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最初の方は木で整備された道が続くけど、それもほんの少しだけで、
後は岩や獣道が延々と。

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これぞ原生林という世界で生い茂る木々の隙間からの木漏れ日を抜けながら、
屋久杉の間を奥へ、そのまた奥へと進んでいく。

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岩清水の透明感、屋久杉の幹に生える苔の緑、そこを吹き抜ける風と土の匂い、
すべての要素が非日常で、けれども違和感なく、そして思い出したかのように体にしみこんでくる感覚。

呼吸をする時に、口や鼻だけでなく、皮膚が深呼吸をしているようなイメージ。

途中、色々な形の杉に出会う。

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切り株に新しい杉が根付き成長した典型的な杉。

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何百年も何千年もかけて生きつづける植物の生命力と時間軸を考えると
人は一瞬の存在であり、とても自然をコントロールすることなんて不可能だと分かる。
共生という言葉を使うのもおこがましく思えてくる。

しかし、僕らは自然から目に見えるもの、目に見えないもの、両方のエネルギーをもらうことができる。

木が大地に生えてその周りに植物、生物が生まれ、動物が集まり、森、空から海にかけて
生命が循環し、その中で僕らは生かされて、そして様々に生きている。

その循環の中のひとつに存在しているということを感じることができたただけでも、
この森に来た意味がある。

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屋久島に来たからというわけではなく、旅をするということは、心の拠り所を作ることだと思う。


日常の生活の中、何かに迷ったり、壁に突き当ったりした時に、心の中で戻ることができる場所。

それは空想や想像の世界ではなく、時間を超越した現実に存在する世界。

心をリセットして、中和する為の場所。

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滝から溢れた清流は行き交う人を癒したり、潤したり。

雨が降れば大きな杉の根元にぽっかりと空いた空洞に入って雨をしのぐこともできる。

けれども、夜になれば漆黒の森の中で道を失い遭難し、
そのまま死んでしまう可能性もある。

公園に植えてある木々の自然とはまったく対照的であり、原始的であり、強大な自然とは、
とても力強いエネルギーを包含した生命力を人に感じさせてくれるけれど、
それは同時に「死」を想起させ、感じさせてくれるものでもあると思う。

この屋久島への旅で強く思ったのは、自然の美しさ、強大さと、そして
そこには必ず同時に「死」を感じること。

畏怖の念。

どうすることもできない凛とした怖さがある。

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道中、写真を取りながら、曲の構想などを考えていたら、
時間が思ったよりも過ぎていた。

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苔が一面を取り囲む苔むすの森を抜けて、もうひとがんばりすると太鼓岩に到着。
天気が良く、風もなく、宮之浦岳、永田岳、黒味岳が一望に見渡せる絶景に時が止まる。

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遠くに浮かぶ雲は目の高さ。

柵も何もない太鼓岩から眼下に広がる杉の峰々を見下ろす。
ここから落ちると死ぬなと。

絶景とはある意味ではそういうことだと思う。


宮崎駿監督も同じ風景を見たのかと想像してみる。


デジカメのメモリーいっぱいに写真を撮って下山。

足はふらふら、がくがく、ほろほろ、でもなんとか入口に帰着。

民宿に帰り3時間ほど倒れるように寝る。
ある意味、死ぬんじゃないかなと思ったほど。

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腹がへっての起床。
人の体は良くできていると思う。
自己治癒力のプログラムで元気になる。

相方は車でノマドカフェや安房方面を散策しに行っているみたい。


ひとまず民宿の近くを散策。
川のほとりのベンチに座り日向ぼっこをしながら白谷雲水峡の山を眺める。

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目の前には大きな魚が2匹泳いでいた。

ふと、目の前の川と遠くの山が繋がっているスケールの大きさを考えると、
トレッキングの記憶が甦る。


そういえば近くに黒ラーメン店があることを思い出す。

鹿児島では黒がつくものが有名と空港から港までのバス内でアナウンスしていた。
黒ラーメン、黒豚、黒牛、黒マグロ。


黒らーめん 王龍 (わんろん)で少し遅めの昼食をとることに。
竹炭を練り込んだ麺を使った屋久島ラーメンを注文。

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キャベツやネギがたっぷり、そしてチャーシューの中に屋久島をかたどった
天ぷらが入っている。

醤油ベースのスープで見た目よりあっさりしていてとても美味しい。
ヴォリューミーだったのでトレッキングで使い果たしたエネルギーがほどよく充電される。


この日は夜にウミガメの産卵観測ツアーを予約しているので
それを心待ちにしながらぶらぶらと散歩。


海の向こうから届く風がとてもすがすがしかった。


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屋久島旅行記 ⅰ

5/24~5/27の4日間、鹿児島県は屋久島への旅。
普段、自然とは随分かけ離れた環境で過ごしているので、原生林や海などの自然を体と心に
浴びたいというのが理由でした。

白谷雲水峡トレッキング、体験ダイビング、カフェ、雑貨めぐり、ウミガメ産卵観測ツアーを盛り込んだ3泊4日。
結果的にデスクワークの日々を過ごす者としてとても過酷な内容になったわけで。

伊丹空港から鹿児島空港、鹿児島から高速フェリーで屋久島宮之浦港まで移動、
民宿に宿泊するプラン(朝食付)で旅費5万ほど。

一日目

この日は移動でほぼ終了。
伊丹空港から鹿児島空港まで約1時間、鹿児島空港から鹿児島南埠頭まで直通のバスで1時間、
鹿児島南埠頭から屋久島宮之浦港まで1時間45分。
昼食は鹿児島南埠頭待合所内「我流風」のカツカレー。

高速船「ROCKET2」でいざ。
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左手に活火山桜島をながめて
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乗り換えに待ち時間もあるので、
朝8時に伊丹を出発して現地到着は14時半。
やっぱり屋久島は遠い。

伊丹空港から直通の飛行便が屋久島空港まであるけれど、航空券がとても高いので今回断念。

ひとまず事前に予約していたレンタカーを宮之浦港で借りて宿泊先の「民宿かわかみ」へ。
途中、ナカガワスポーツへ立ち寄り明日のトレッキングのためのシューズとレインコートをレンタル。
セットで2000円。

港からすぐの民宿着。

海と山の峰々が同時に見渡せる風景に圧倒されるが、
まだ屋久島に来たという実感がなぜかほとんどない。

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ひとまず安房にある雑貨屋wood shop「木心里」へ。
レンタカーにナビはついてるけど、島内を一周する道がメインなので、
店の場所を事前に地図で確認しひたすら進む。
信号もほとんどないので、思ったより早くに到着。

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屋久杉で作られたストラップなどのオーガニックなオリジナルのアクセサリーがたくさん。
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はんだごてを使って自分でデザインできるストラップがあり体験してみる。

店を出た後は、近くのノマドカフェに行きたかったけど、営業時間が終わりそうだったので断念。
次の目的地Tシャツショップ「Garamosta」へ。こちらも安房。
森の中に店をかまえていて一度目は気づかずに通り過ぎてしまう。
店内は「木心里」と同じくオーガニックでゆるーい雰囲気。

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店内BGMはピアノを引き語りして唄う島崎智子さん。ん。。。どこかで見覚えが。。。
昔、tinorksで活動する前にライブをしていたミノヤホールで何度か拝見した方で、
その時は「こっちゃん」というアーティスト名で活動されてました。
声が独特なので、記憶に覚えていて、それで曲を聞いて思い出した。

流れていたのはこの曲

さて、店内入ってすぐお目当てのトロッコとシズクTシャツをそれぞれ発見。
やさしいデザインと暖色系のカラーでどれにしようか迷っているだけでほのぼのと癒される。
相方が念願のトロッコTシャツを購入。

その後、晩御飯でも食べようということになり店を散策。迷った挙句、
民宿の方おすすめの大衆割烹 漁火(いさりび)へ。一品から定食まで揃ってる地元の方御用達のお店。
梅酒を飲みながら刺身盛り合わせ、揚げ物、焼きおにぎりなんかを注文。
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そして屋久島といえば、飛び魚ということで、それのから揚げを注文。
見よ!見事な揚がりっぷり。
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あっさりしているけど、ほんのり塩が効いていて香ばしい。
ネギ入りポン酢を付けて食べると絶品!
鮮度がいいので身が引き締まってる。
板前さんも頑固な感じでいい。

お腹を満たした後は、一日目から温泉へ。
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楠川温泉。入浴料300円、4人程しか入浴できない小さな湯船でしたが、
藩政時代から続く歴史ある温泉。明日のトレッキングに備えて心身をニュートラルに、
瞑想に近い心持で。

深緑の苔をまぶたの彼方に夢見ながら布団の中で落ちる。

生と死の二日目へ


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2014-05-28

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屋久島の杉に想像を超えるものを重ねてみた。

レポートはまた後日書きます。


建水


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