2015-12-09

音楽が内包しているひとつの「うま味」

ドイツに来いよって突然メールをくれたWhale vs elephant(クジラvs象)の
トビアスは今、バルト海に面したグルジアに滞在し、
アルゼンチンの音響系アーティストとツアーをしている。




Whale Vs Elephant - Today's morning (Live @ Twilight, Tbilisi) from Tobias Braun on Vimeo.






現地TV局が撮影した動画から
彼らのパフォーマンスを見ることができる。
前半の即興を経て、2:20~はじまるのは
TINÖRKSがドイツに滞在した時に
制作したToday's Morning Electronica
(「今朝のエレクトロニカ」 変なタイトルはご愛嬌)という曲。
(朝に作ったので)

最初に鳴り出すシンセは僕が弾いていて、
途中から入るヴォーカルは雫が担当

最初のアレンジでは後半に登場する
ハードなドラムトラックはなく、
僕のサンプル・ライブラリーを使った
リズムで終始穏やかな雰囲気だった。

けれど、当初アレンジについて話していた時に
「後半はもっとがつんと行きたいね」って
言っていたので、そうしたんだと思う。


ドイツ滞在が終わろうとしていた頃、
トビの部屋で各パートをレコーディングした。




自分たちの音が、曲が日本からはるかに遠く、そして
あまり知らない国、グルジアで演奏されているというのは
なんとも不思議な感覚。
けれど、これが他の国のミュージシャンと知り合って、
共演することのおもしろさ、醍醐味であり、
自分にとっての可能性、引いては
音楽自体の可能性を示唆していると思う。




インターネットが情報を集めるのに
どんなに優秀なツールであったとしても
皮膚感覚で経験して得ることができる生の情報には
かなわないと思う。

最近、思うが、例えば、TwitterやFacebookなどの
SNSを活発にやっている人に限って、
そのネットワークの中でしか動いていないことが実感としてある。

つまり特定のネットワークの情報しか日々知ることなく
過ごしているということ。

インターネットで世界のどの場所、どの人ともつながれても、
結局、その人がヴァーチャルに存在している
ネットワークの大きさは小さいのだろう。

決してインターネットを批判しているわけではないが、
その中で、情報収集のほとんどのことが完結している状況は
あまりにも勿体ない。

そしてそこには驚きや発見という「うま味」の部分が
完全に欠けている。
インターネットで伝わる情報の密度はたかが知れている。




ドイツのトリーアに到着したその日、最初に驚いたのは
午後9時になっても空がまったく暗くなく、
むしろ明るいことだった。(これは異常気象ではなく
むこうではその季節では普通のこと)

まるで夏の北欧の白夜のように。

ドイツという国のこと、主要な都市、雰囲気などは
それほど珍しくもなく、むしろ知らない人の方が少ないと思うが、
夜が明るすぎることはこの時まで知らなかった。

そのことに驚かされたし、それが自分にとっての大きな発見だった。




音楽で驚かされることはたかが知れている。
日本と文化や慣習が全く違う国のミュージシャンであっても
使っている楽器や機材、ソフトウェアはほとんど知られている。

だから皮肉にも音楽に関するやりとりはたいてい円滑に進む。

日本とはまったく違う文化の中に、そしてかつ、
観光ツアーではなく、その土地に暮らす人の文化の中に入っていくこと

インターネットでは決して味わうことができない
「うま味」「苦み」がたくさん溢れている。

自分はバックパッカーではないので、
彼らからしたら何を偉そうにと言われても当然だが、
たった一週間少しの期間でも驚きは溢れていた。




今の時代、音楽を作ることにのめりこめば、のめりこむほど、
インターネットの中の世界にだけで活動するようになると思う。

外で実際に演奏するとか、海外で演奏するとかは
もってのほか、論外で、そもそもそれに興味がないことが
普通のことのように思う。

実際に目の前で演奏して、誰かに聞いてもらって、
反応をもらって、それに影響され
そしてまた曲を書いてという流れ

本来、音楽が内包しているひとつの「うま味」

それを生かしきれずにほとんどの作品が
パッケージされていると思う。

そしていつしか井の中の蛙になって、
絡む人もいつも同じ、自分が思い込んだ空間、
ネットワークの中でしか活動しないようになる。

偉そうに言ってもTINÖRKSの活動はたかが知れている
けれど、意志があって、外に出たいアーティストがいるのなら、
海外のつてを紹介することはできるし、微力と自覚していても
何らかで支えることもできると思う。

人生は一回きり
だからやるときは、とことんやればいい




建水

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2015-07-21

ドイツライブツアー 14日間の行程

2015年6月28日~7月11日
ドイツのトリーアに滞在してのライブツアー

その14日間の行程を書きます。




6/28(日) 出発 同日、トリーア着

6/29(月) 午前・午後オフ 夜リハーサル

6/30(火) 午前オフ 午後リハーサル、観光 夜リハーサル

7/1(水)  午前オフ 午後リハーサル

7/2(木)  トリーア Posthof(ポストフ)にてライブ

7/3(金)  隣国ルクセンブルク グラーヴェンマハにてライブ

7/4(土)  隣国ルクセンブルク グラーヴェンマハにてライブ

7/5(日)  朝・昼オフ 夜リハーサル

7/6(月)  トビの実家があるザールランド州Mettlach(メトラッハ)に
列車移動しハイキングしながら観光
夕方からトビの実家に滞在し宿泊

7/7(火)  Mettlach(メトラッハ)から列車でSaarbrücken(ザールブリュッケン)へ移動
ladenにてライブ


7/8(水)  オフ

7/9(木)  "Good-Bye Concert"を滞在先の中庭で開催してもらい演奏

7/10(金) 朝早く出発

7/11(土) 午前中に帰国







6/28 初日

KLMオランダ航空10:25の便にて関西国際空港から出国
約11時間45分後、15:10(現地時間)アムステルダム スキポール空港に着 乗り換え

KLMオランダ航空16:55の便にて出国
約55分後、17:50(現地時間)ルクセンブルク フィンデル空港に着

なぜドイツに行くのにルクセンブルクの空港に行ったのかというと、
地図を見ると分かるのですが、
トリーアのすぐ西隣りはルクセンブルクになり、
空港から直通バスで50分程で行けるからです。

トリーアにもっとも近い国内の国際空港はフランクフルトハーン空港になり、
そこからだと電車で早くて3時間。途中乗り継ぎをしないといけないこと、
電車の料金を考えると、このルートの方が料金がはるかに高いです。

アムステルダムで乗り換え、ルクセンブルクからバスの経路で
こちらも多少複雑ですが、航空券が安いのと、バスのチケットも安いので、
それほど負担にはならないと考えていました。




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アムステルダムに到着したのが日本時間でだいたい夜の10時。
夜の12時にルクセンブルクに向けて出発し
日本時間深夜の1時くらいにルクセンブルクに到着。

バスの時間を前もって調べていたので、
チケット売り場付近で誘導していた係の方に尋ねると

「平日しかトリーアに行くバスはないよ」って。

え?(汗)バス会社のHPの時刻表にそんな注意書きなかったはずだけど。。。

もう一度よく見てみると、フランス語らしき表記で月~金までの記載が
あるような気がする。。。気がするだけでそれがそういう意味なのか
分からないくらいの記号が書かれている。

仕方がないので、これも事前に調べていた列車でトリーアに行く経路に変更。

ただ、トリーアでの待ち合わせをバス停にしていたので、
空港のフリーwifiで急いでTobiに連絡。

ちなみにTobiは6/28(僕らが到着する日)はどこかのフェスに行っていて
家に帰宅するのは6/29の早朝ということ。(到着の日に主がいないというのも
すごいというか寛大というか適当というか(笑)

で、鍵を同じバンドメンバーのIris(アイリス)に預けておくし、
彼女がバス停まで迎えに行くよという連絡を事前にもらう。

なので、Irisにもバスがなくて列車で行くよということをメッセージ。

ルクセンブルク中央駅行きのバスはもうすぐ来るみたいなので、
雫はバスのチケットを急いで購入。ひとり2ユーロ(為替1ユーロ 140円くらい)
(列の前で購入している人のを見て、買い方を学んだらしい)

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タブレットの充電はなくなりつつあるし、初日からなかなかうまくいかないなという
気持ちを抱えつつ、中央駅行きバスが到着。

念の為に、行先を運転手に確認し乗車。

体感的にですが、ルクセンブルクの人は概ね冷たいというかドライな感じがしました。
英語が通じない(フランス語やドイツ語がほとんど)のもあるかもしれませんが、
基本的に関わりたくないオーラ全開。印象があまりよくないなあと思いつつ。。。

ルクセンブルクの街を楽しみながらバスは順調に走行。
バス専用道路が多くてかなり効率よく進みます。




20分くらいで駅に到着。

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informationにて列車のチケットを購入。
なぜか往復を買わされる。なんで?と思って再度聞いてみると、
片道切符よりも往復切符の方が全然安いということ。
(ひとり9.60ユーロ 約1344円)

納得。

親切に多少の驚き。

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気持ちが多少落ち着くと無性に腹が減っていることに気がつく。

出発まで40分ほど時間があるので、何か食べようと構内を見るも、
一店舗しかそれらしい店がない。

中央駅なのに、そうかここは日本とは違うぞと改めて納得
そして気持ちを落ち着かせる。

カフェらしい店に入る。

サンドイッチやドーナッツ系のフードがまばらに。

ほとんど選べない品数だったので、ハムが挟んであるオーソドックスなものを注文。
前に3人ほどの客がいて、案の定待たされる。

ようやく席に座り食べるも、やはりおいしくない。
スパイスの味が合わないとかそういうのではなくて、
味がないのです。とほほ。

電車の出発時刻。

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(TRIER KOBLENZ トリーア コブレンツの表示)


8列くらい線路が並んでいて、該当のホームは一番遠い。


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日本時間では真夜中の3時くらいなので、だいぶ疲れを感じる。

ひとまず乗車。乗客ほとんどおらず、ひとつひとつの席も広いので快適。
扉も大きいし。

ヨーロッパの電車はどれも快適で、他の国でも今までいくつか乗ったことがあるけれど、
良い印象しかない。

20:26 出発

タブレットの充電は尽きかかっている。
空港で送った「列車で行くよ」っていうメッセージをはたして見てくれているのだろうか?

そうそう、空港でプリペイドのデータSIMを買おうと思ってましたが、
売っていなくて、これが今回の遠征のひとつの大きな誤算でした。
(日本でamazonとかで売っている一般的なデータカード買っておけば良かった。。。
2000円くらいなのに。。。)

空港などのフリースポットでしかネットが使えないというのは
こういう状況ではとても不便極まりないです。




降りる駅を確認すると10駅くらいはあるみたい。

眠気もじょじょに体を包むが、できるだけ抗(あらが)う。

窓の外に流れる景色は牛や馬がぽつぽついる牧場や草原、
ときおりカラフルな家々。。。

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21:25
1時間程してようやくトリーア中央駅に到着。

ひとまず着いた。無事に。

で、どうする?

と思いながらひとまず列車を降りる。

駅の外に行こうと疲れた体をだましながら
スーツケースをガラガラと押して歩いていると、
向こうから歩いてくるひとりの女性。

どこかで見たことあるなと思っていたら、
突然、雫が話しかけられる。

「Are you Shizuku?」。

「Yes」

「You are Iris??」

「Yes!!」

ああ、良かった~

アイリスがメッセージもらって私もバスがないことに気がついて、
どうしようって考えていてメッセージ送ったよって。

会えてよかったよって。

ひとまず挨拶を交わして、家に行こうって。




家はすぐ近くなんだけど、経路的にどうしても大回りでしか行けないとのこと。

安堵感と疲労感が同じくらい。

途中、お腹減ってる?って聞かれて、

少し減ってるけど、でも疲れてるから眠りたいよ(笑)と伝える。

それから、こっちに来て驚いたことのひとつが
夜9時半くらいまで普通に明るいこと。

なので時間の感覚が麻痺します。

で、そのことを歩きながらIrisに聞くと

たしかに夜は明るいけど、理由はわからないと

自然現象なのでごもっともです。




出発の日、起床した時間から数えてほとんど24時間は経過している。
(起床した時間 6/28 朝5:15 現在時刻 日本時間で6/29 朝4:26)

そのことを伝えたらかなり驚かれた。

22:00
30分程歩いたらマンション?アパート?が立ち並ぶ住宅地に到着。

扉を開けると中庭らしきものがある。けれど暗くてはっきりと見えない。

中庭で団らんしている女性たちに挨拶をし、
一階のTobiの部屋へ入る。

Irisは同じ建物の上に住んでるらしくて、何か困ったら
いつでも言ってと。親切な方で良かった。。。

主のいない部屋に荷物を置き、ひとまずベッドに倒れ込む。

なんとか無事に着いた。それだけ。

体は疲れ、頭も朦朧(もうろう)としているので
まるで空想の世界に来た感覚しかないけれど、
長い一日がようやく終わる。

中部屋(シェアしている友達が住んでいるけれど、今日はいないみたい)を通り抜けた先、
キッチンの向こうにあるシャワーを借り、少しリフレッシュする。

中庭で先程挨拶した女性たちの話し声、もちろんドイツ語なので、
まったく理解することはできないけれど、それを遠くに聞きながら、
ドイツに来たという、トリーアに来たという実感がないまま、
眠りに落ちそうだったけど、
寒くてなかなか眠れない。

昼と夜の温度差が激しすぎることに気がつく。

温度を実際に測定した訳ではなく、かつ風邪などはまったく
ひいていなかったですが、
体感的には上下長袖のパジャマを着て、
毛布の布団でちょうどいいくらい。

持ってきた服を重ね着して(長くて7部袖!)
かろうじて暖をとりながら就寝。

雫は暖かいって言いながら寝袋に入ってた。

この先どうなることやら。。。

つづく




建水

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2015-07-18

エンデの中庭を窓からながめて

2015年6月28日〜7月11日
ドイツでのライブツアー

7月5日の練習風景
曲は"Today's Morning Electronica"

7月7日にトリーアの南方ザールブリュッケンの街にある
Ladenでのライブに向けてのリハ

サポートにヴァイオリン奏者のJana(ヤーナ)さんを迎えて
4人編成のセッション動画
(動画はTobi所有の一眼レフで撮影し、音はzoom Q3HDで録音)

Ladenでのライブレポートはこちら




トリーアに滞在して2日目くらいだったと思いますが、
朝に部屋でキーボードを即興で気持ちよく弾いていたら、
キッチンで朝食を食べていたTobiが来て

Tobi「それ何の曲? tinörksの新曲かい?」
自分「いや、即興やけど」
Tobi「いい雰囲気だね。そのままloopして弾いてみて。レコーディングするから」
自分「あ、、了解。。。」

というやり取りがありました。

その後、細部をつめて7月2日トリーアでの最初のライブから最後のライブまで
演奏することになったわけです。

曲名は朝に作ったエレクトロニカなので。
仮タイトルがそのまま本タイトルに(笑)

リズムトラックには、ドイツに渡る前に僕があげたサンプル・ライブラリーの
中からいくつかの音が使われています。

「Pinion」のネジを回す音とか。。。

Tobiは音で埋めずにあえてスペースを作るリズムトラックが好きみたいで、
聴いているとリズムトラックがスカスカですが、
それがなんとなく日本的でいいなあと思いました。




この日の練習は確か夜の9時頃から始まったと思います。

機材を準備して手慣らししていると、急にJanaさんが入ってきて、
こちらが、驚いている間もなく、挨拶をしてという、
少し衝撃的な初対面でした。

彼女は声のピッチが高く、そしてよく笑うのですが
話している最中に急に甲高く笑うので、
ドキッとすることが多々あります。

けれど、演奏になると集中力がすごく、
曲の雰囲気に自然に溶け込む音を出してくれます。

Tobiとは最近でもいっしょにライブをしているみたいで、
手の内はお互いに知り尽くしている仲のよう。

彼女はtinörksの「komorebi」でもバイオリンを
弾いてくれたのですが、僕がアレンジについて
要望を話すと、とても真面目に聞いてくれたことも印象に残っています。

ずっと以前からtinörksの楽曲で演奏してくれる
ヴァイオリンやヴィオラ、チェロ奏者を探していましたが、
結局ひとりも見つからず、ほとんどあきらめかけていた中、
ドイツでヴァイオリン奏者が加わった編成で
演奏できるとは、実に夢にも思っておらず、
そして同時に夢が叶った瞬間でもありました。

ドイツで演奏できたことも、自分の音楽の歴史の中で
大変大きな出来事ですが、それと同等かまたは
それを上回るくらいの出来事が
ヴァイオリン奏者Janaさんとのセッションでした。

予定外に行われたトリーアでの最後のコンサートにも
彼女は駆けつけてくれて、何曲かセッションしてくれたこと、
ほんとにうれしかったし、彼女の親切心には頭が上がりません。




それが海外で、たとえその期間一回きりだとしても
縁があれば人は必然に出会うのだと改めて思いました。

Tobi、Jana、シズーキー、
ありがとう。




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時間が目に見えてゆっくりと進んでいる

騒々しい音もきこえない

今、ドイツにいること トリーアにいることが
特別なことではないと気づかされる

この日の朝はエレクトロニカがよく似合う

そんな風




建水

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2015-07-15

ひとつがすべて その逆もまた -Live at Laden-

tinörks(ティノークス) 2015年6月28日~7月11日までのドイツ遠征ツアー

7月7日(火)Laden

時間軸が前後しますが、
ドイツはザールブリュッケンにある雑貨&服屋Ladenでの
ライブ動画のひとつをTobiがupしてくれたので、
その時のライブレポートです。




曲はTobi(トビ)のバンド「Whale vs elephant」の"Quite thin ice"(クワイト・シン・アイス)

オリジナルはvocalのIris(アイリス)が流麗に歌い上げ、
Dirk(ダーク)のギターも入るアレンジですが、
この日二人は参加できなかったため、
アンビエントな半即興のアレンジになっています。

サポートでバイオリンのJana(ヤーナ)が入ってくれました。




ザールブリュッケン(Saarbrücken)は
フランス国境に隣接し、モーゼル川の支流であるザール川沿いに位置し、
フランス領のアルザス・ロレーヌに近い街。

第二次世界大戦で激しい攻撃を受けた後、再びドイツから分離され、
フランスの管理下に置かれることになったが、
住民投票の結果、再度ドイツに復帰することが決定され、
1957年1月1日を以ってドイツに復帰したという歴史があるそうです。(wiki参照)


Photo
(トリーアからザールブリュッケンまでの列車の経路)


今回ドイツライブで滞在拠点となったトリーア(Trier)からは南方の方角。
列車で1時間少しの場所にあります。

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(DBが目印の列車の駅。DBとはドイツの首都ベルリンに本社を置くドイツで最大の鉄道会社)

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(建物はそれほど高くなく、デザインはそれぞれ少し違えども、高さが同じなので街並みが綺麗)

街の様子は、バロック様式のおしゃれな店がたくさん並ぶ若者の街という印象。

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前を通り過ぎただけですがヨハン教会(St. Johanner)は壮大でした。

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駅に到着後、この日朝から狙いをつけていたTobiおすすめのブルガリアバーガーを
食べようということで、店に向うも見当たらず。

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人に聞くとどこかに移転したかもということで、
しぶしぶあきらめることに。

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(途中、通り雨に何度か会い、機材を守るのに気をつかう場面も)

ブルガリアバーガーはひとつ10ユーロ(1300円)以上しますが、
量が多いのもさることながら、農薬を使っていない有機栽培の野菜と
ストレスをほとんどかけていない牛肉を使用したかなりおいしいハンバーガーとのこと。

事前にHPを見ましたが、かなり巨大なサイズ。


Tobiはかなり腹が減っているらしく、サンドイッチとクレープを食べようと。

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(この写真の店ではなくて、この店の脇で食事(笑)

腹ごしらえをすませいざ会場へ!

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(駅から会場まで)


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6時 お店に到着。
夕方ですが昼間のように明るいです。

ドイツに来て驚いたことのひとつが
夜9時半頃まで明るいということ。

時間の感覚がおかしくなります。

それはさておき、
Ladenはどちらかとうと民族的(少しアジア的な感じもしました)な
雰囲気の雑貨や衣類を扱うお店でした。

バイオリンでサポートしてもらうヤーナはすでに到着しているのを発見。

彼女は甲高い声(特に笑い声)が特徴で、二日前にリハーサルをしていたので、
その時に知り合いました。
(会話中、急に笑う時があるので、どきっとしたことがしばしば...)

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Tobiが店の人と話をし、ひとまず会場作りからはじめることに。

お客さんが座る椅子はすでにセッティングしてあって、
どの椅子も本物の切り株の上にクッションを置いていました。

座奏用の椅子も当然切り株(笑)

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それから今回もPA機材(スピーカーやミキサーなど)がないことを確認。
ルクセンブルクでもそうでしたが、機材は当日必要となってから探すというのが
普通みたいです。(※ルクセンブルクでのライブレポはまた後日書きます)

男性スタッフがどこかから借りてくると言い残して店を出て行きました。

機材のセッティングが終わったころにPA機材一式が無事に到着。
けれどマイクスタンドがない。

再びどこかから借りてくるということ。

そうこうしている内にお客さんが少しずつ来場。

Tobiの妹も来て、Tobiと久しぶりの会話をしていてほのぼの。
僕も日本からはるばる来たよなんて言いながら少し雑談。




20人少しのお客さんが集まる中、公開リハーサル開始(笑)

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ネタバレな感じもありましたが、リラックスした雰囲気の中、
いよいよ本番開始。

時刻は夜の8時30分。




【set list】

1. Intro Song
2. Hinata
3. Today's morning electronica(with Jana)
4. Houra
5. Komorebi(with Jana)
6. northern lights
7. Modifications
8. Ljus och snö
9. Sinfonia
10. Honest mistake

EN
11. Quite thin ice(with Jana)




手短に曲解説を書くと

1. Intro Song
オープニングSE的な位置づけ。
他のライブのset listでも1曲目はかならずこの曲。
ちなみにリズムトラックのサンプルは、
ドイツに渡る前にTobiに送った僕のサンプル・ライブラリーを使ってくれています。

聴いているうちに聞き覚えあるなあと尋ねました。
tinörksの「Railnoscape」のリズムの音

2. Hinata
tinörksの曲。TobiがEPで参加してくれました。
彼がときおりマイナーな音を弾くので
ダークなHinataになっていたのがおもしろかったです。

3. Today's morning electronica(with Jana)
ドイツに来てから作った新曲。
ある日、部屋で何気にキーボードを弾いていると
Tobiがキッチンから来て、

Tobi「それ何の曲? tinörksの新曲かい?」
自分「いや、即興やけど」
Tobi「いい雰囲気だね。そのままloopして弾いてみて。レコーディングするから」
自分「あ、、了解。。。」

というやり取りがあって、雫のシェーカーとvocal、
そしてTobiのKeyとリズムトラックを入れてひとまず完成となりました。

ちなみにこのリズムトラックの音のいくつかも
僕のサンプル・ライブラリーのひとつで
Pinionで使っている音。

耳馴染みがありますね。

曲名は晴れた日の朝に作ったので。

ライブではバイオリンのヤーナがカウンターメロディーを考えてくれました。


4. Houra
tinörksの曲。これは雫と二人での演奏。

5. Komorebi(with Jana)
TobiがEPで参加してくれたのと、後半部からヤーナがバイオリンを弾いてくれてます。
いつもと雰囲気が違っていつのまにかドイツver.になっていたのがおもしろかったです。

6. northern lights
Tobiのバンド「Whale vs elephant」のインスト曲。
チェロの旋律が印象的。
雫はメタロフォン、僕はシロフォン的なシンセで参加。

7. Modifications
これもTobiの曲。この日はvocalのIrisとギターのDirkがいないので
雫がvocalとギターのフレーズをメタロフォンで演奏。

tinörksで培ってきた二刀流を見事に披露。
僕は雫のvocalエフェクトのオペレーションに集中。
これはこの日のライブならではでした。

8. Ljus och snö(ユースオースノ)
お馴染みの曲。
Tobiが最も気に入っているtinörksの曲。

9. Sinfonia(シンフォニア)
今年の4月29日のイベントのために書いた曲。
今回のドイツライブで演奏しようかどうか滞在先の部屋で
雫と相談しながら練習していたら、Tobiがまたキッチンから
やって来て、「今の新曲かい?」と。

反応する時はなぜかいつも早い。
興味ない時との差が激しすぎる。
(そう考えるのは自分が日本人だからか...)

メロディーがキャッチーだからset listの最後の方に
組み込もうということになって、すべてのライブで演奏することに。

けれど、時間が長いので、最初のセクションの後、フェードアウトしてという注文付。

tinörksでは珍しくピアノを弾いてます。
雫はvocalとフルートを担当。
TobiはEPで参加してくれました。

10. Honest mistake
Tobiのバンドの曲。
雫がvocalを担当。




お客さんの暖かい声援のあと、アンコールで
11. Quite thin ice(with Jana)

Tobiのバンドの曲。
オリジナルはリズムトラックがなく、流麗な唄と切ないギターが
入っていますが、この日その二人は参加できず。

TobiがEP、僕がシロフォン的シンセ、雫がvocal(コーラス的)、
ヤーナがバイオリンを担当するアンビエントなアレンジ。

半分即興のため毎回アレンジが少しずつ変わります。




お客さんは20人少しでしたが、椅子の数が少なかったため、
店の外に立って聴いてくださる方もいて、
本当にうれしい限りでした。

日本の奇妙な音楽、けれどリラックスした音楽をどのように
受け取って、感じていただけたのかは、分かりませんが、
ライブ後にたくさんの方々に話しかけていただけたこと。

演奏してよかったなあと心から思いました。

そして、予想以上にたくさんの投銭をいただけたことも。
(※投銭の総額は65ユーロくらいで、ヤーナも含めたメンバーの移動費、
この日の食費はすべてまかなえました)




この日、聴いていただけたみなさん、お店のスタッフの方々、
Tobi、ヤーナ、シズーキー

本当にありがとう。

この日のようにお客さんとの距離が近いライブは
国が変ってもやっぱりいいなあと、好きだなあと思います。

リラックスした最高の夜に。

Prost!
Vielen Dank




Hosei




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2015-07-01

未知なる世界は満ちる前に - 1 -

アムステルダム行の飛行機、
気になってた映画のひとつ
デヴィッド・フィンチャー監督の「GONE GIRL」を鑑賞。

ロザムンド・パイクの見えない狂気を見せる演技が
とても印象的。

エンドクレジットが流れる中、
脚本がよくできてるなあと感心していると
オランダ、スキポール空港到着まで
あと30分を告げるアナウンス。




この日、
2015年6月28日午前5時起き
いよいよドイツ、ルクセンブルクでの遠征ツアーへの出発の朝を迎えた。

さかのぼること2011年
tinörksのプロジェクトを静かにはじめた頃、
死ぬまでに一度はヨーロッパの地でライブをしたいという
夢を抱いた。ライブ活動をする中、
その想いが日増しに強くなっていった。

コネもきっかけも得られないまま、日々が過ぎた2015年3月4日
何の前ぶれもなくスウェーデン人からのインタビュー記事の
依頼があり、その掲載を偶然に見たドイツ人アーティストTobias(トビアス)氏から
Facebookでメッセージがきた。




"Hey there

I'm Tobi from Trier, a small city in south-west germany and member of a band called Whale Vs Elephant.

I found your band just by chance reading about you in a blog.
I really like your music. It reminds me a bit on icelandic band Múm or the german band The notwist. Both bands, that influanced my own music too.

I'm organizing 2 mini-festials and some livingroom- and cafeconcerts in my area. So if you'd ever tour in germany it would be nice to invide you here. This area is small but nice.


All the best,

Tobi

PS:
I like your beats and the samples you use. What program are you working with and do you have a special sample libery?"




当初、向こうが本気で言っているとは心底思わず、
半信半疑でメッセージのやり取りをしていたが、
イベント内容、条件や宿泊先の提供など
具体的な話があり、スカイプでのやり取りもする中、
人柄や話口調から真面目な話であることが伝わった。

そしてtinörksの音楽性にとても興味を持っていることも。

Tobias氏のことを紹介すると
彼はメッセージにもある通り、
Whale Vs Elephant(クジラ vs 象)のメンバーの一員で、
ヨーロッパの各地でライブをしているインディーズ・アーティスト
(写真でロシアやルーマニアもあったような気がする)

音源はコチラ








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日本で無名なアーティストが海外の地でライブをすること

実際に会ったこともない海外のアーティストの話を信じて
海外へ演奏をしに行くこと

これがいかに無謀であるかはご承知の通りだが、
しかし、音楽活動をする大部分のアーティストがそうであるように、
今までしていなかったことにチャレンジすることは
創作や活動において必要不可欠なことである。

そして、最も重要なことは同じチャンスは二度と
訪れることはないということである。

これは、tinörksの活動以前から身に染みてわかっていることで、
道を切り拓く唯一の方法はチャレンジしかないのである。

それが例え失敗に終わろうが、記憶に残るほど
散々な結果になろうが。

今までたくさんの作品を生み出し、たくさんライブをしてきたが、
そのほとんどは自分の実力や不足な点を浮き彫りにし、
時には自分の心も蝕むほどの脅威となることもあった。

けれど、それを少しずつ改善する方法がほんの少しでも
見つけることができたから、次にチャレンジすることを
何かしらの形でいただけてきたのだと思う。

「ヨーロッパでライブをしたい」ということは、
当初からtinörksを知っている方なら、
今まで言い続けてきたセリフなので一度は聞いたことがあるかもしれない。

それは自分にとってのまさに夢のひとつでもある。




叶えるために言い続けるのが夢




夢が叶う瞬間は、今回の件で、ふいに訪れるものかもしれないとも思った。

それは、活動をする中で、少しずつ応援していただける方々が増え、
その支えによって活動の幅を広げることができ、
ついには夢を叶えることができたこと。

それはtinörksにとって忘れることのできない事実であり、
無名でかつどんなレーベルにも所属していない僕らが
ドイツのトリーアの街で演奏させてもらえる、いちミュージシャンとしての「誇り」であると思う。

改めて、活動を応援してくださるすべての方々に感謝の気持ちをお伝えします。




それから音楽活動で同じ夢を抱いているすべてのアーティストにとって、
今回の遠征で得られたことが、それぞれの活動にとって少しでも役に立つ
情報となれば幸いです。




日本のおもしろい音楽を埋もれさせないために

活動を広げるための勇気がないがしろにされないために




2015年6月29日
Tobiが貸してくれた中庭の見える部屋から




歩星




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